2007/9/6 - いわき民報
ニュース > いわき民報
三和に農家レストラン、自前野菜で石窯ピザ
三和町下三坂で農業を営む永山雄一(60)、シゲヨ(57)さん夫妻は9日、自宅の敷地内で石窯を構えた農家レストランを開店させる。50代を経て農業の楽しさや自分たちの暮らす風土の趣を感じられるようになったという、夫妻。郷土の食にも思いを深める中、街の人に自然をのんびりと感じてもらったり四季折々の野菜を味わってもらいたい――という思いを込めて、開店を決めた。雄一さんが手作りした石窯で、家族が丹精込めて育てる野菜をトッピングしたピザを焼きもてなす。 長く酪農を営んできた夫妻が「郷土の味」を意識し始めたのは、10年ほど前から。家を新築した際に出た材木の有効活用として、雄一さんが敷地の一角に建物を建てたのがきっかけだった。建物を利用し郷土に根付く味わいの1つである柏(かしわ)もちを作ろうと平成12年、「柏の里」を開店させた。同じころ、シゲヨさんは農業女性が集う、県事業の「郷土食をつくる会」の立ち上げ時に参加。柏もちの加工場が1年間にわたり会場として使用される中、参加した市街地などの人々が郷土食や自然を喜ぶ姿に、新鮮な驚きを感じた。また、地域の農業女性による直売市「かあちゃんのうまい菜市」にもかかわってきた。気苦労が多かった酪農をたたみ、子育ての一段落とも重なったこの時期から、「自分の生活に余裕がでてきたのか、農業の楽しさを感じるようになった」という。現在は柏もち製造と並行して、家族で80種類ほどの野菜を栽培している。
食品管理の免許を得ていたことから、農家レストランはいつか実現させたい夢だった。それを現実に至らせたのが、石窯。友人と出掛けた青森で石窯ピザに出合い、器用な雄一さんが敷地に完成させた。間を置かずして、シゲヨさんが市の研修視察で宮城県の農家レストランを訪問。自分たちで作る野菜を生かした石窯ピザを楽しんでもらうという、永山家流農家レストランのスタイルが見えた。
レストランでは、お客さん自身に野菜を切ったりトッピングしてもらい、楽しみながら味わってもらう。また、季節の料理やデザートなどとセットでもてなす予定だ。農業に楽しさを感じるようになって、四季折々に表情を見せる自然の趣や、郷土の食の味わいを認識できるようになってきたと語るシゲヨさん。「今までは、ただ普通に食べて生活してきた。生活が楽しいな、と感じられるのは幸せ」。そんな心の解放感を、この場所で街の人にも得てもらえればと、思いを込める。また、若い人や子どもたちが食と農に関心を持つきっかけになればと考える。
予約のみで対応する。問い合わせは永山さん=電話(85)2004=まで。
